お役立ち情報
2023.09.28
一つのオフィス空間を、複数の企業や人で共有するシェアオフィス。シェアオフィスは共有空間としてだけではなく、住居や電話番号の登記という利用方法もあります。
そこで今回は、シェアオフィスを利用してオフィス移転する流れと手続きについてご紹介します。
シェアオフィスを利用したオフィス移転について解説する前に、まずはシェアオフィスとは何かについて確認しましょう。
シェアオフィス(Shared-Office)とは、一つのオフィス空間を複数の企業や個人で共有するオフィススペースのことです。オープンスペースだけではなく、個室プランなどもあることから利用目的に合ったタイプが選べます。
近年、シェアオフィスはさまざまな方面から注目されています。その理由は、オフィスのあり方が見直されているためです。実際、シェアオフィス以外にもコワーキングスペースやレンタルオフィスなど、さまざまなオフィスタイプが登場しています。新たなオフィスの形として、シェアオフィスを利用、または検討している企業・個人が増えているのです。
シェアオフィスは住所や電話番号を登記できる場合があり、シェアオフィスの住所を登記することでオフィスを移転できます。シェアオフィスを利用したオフィス移転の流れは以下の通りです。
①問い合わせ
②内観(現地に行き、スペースの利用可能状況する)
③申し込み
④審査
⑤契約手続き
⑥入居
シェアオフィスであっても、実際に現地に行ってアクセスしやすいか、集中して仕事ができる環境かなどを必ず確認しましょう。
オフィスを移転する際はさまざまな手続きが必要ですが、シェアオフィスを利用したオフィス移転も例外ではありません。シェアオフィスを利用したオフィス移転では、以下の手続きが必要です。
・旧オフィスの解約
・変更異動届出書
・適用事業所名称・所在地変更(訂正)届
・労働保険名称・所在地等変更届
・移転登記
ここでは、それぞれの手続きについて詳しく解説します。
オフィスを移転する際には、必ず旧オフィスの解約が必要です。解約通知を出すタイミングは退去する6ヶ月前までのため、余裕を持って早めに解約手続きをしましょう。
なお、オフィスを明け渡すまでに原状回復工事を完了させる必要もあります。現状回復工事はテナント側が100%負担しなければなりません。
他にも、インターネットや電話回線の解約をしたり、郵便局へ「転居届」を提出したりします。移転後1年間は、旧住所に届いた郵便物を無料で新住所に転送するサービスが受けられますが、その後は無料転送サービスがないため必ず郵便局への転居届もしてください。
税務署に変更異動届出書を提出します。変更異動届出書は、オフィス移転が決まったら速やかに提出してください。
変更異動届出書の提出とともに、税務署にて法人税の取り扱いに関係する手続きも行います。手続きには「移転手続き完了後の登記簿謄本」が必要となるため忘れずに持参する他、必ず移転手続き完了後の登記簿謄本を受け取ってから手続きに向かいましょう。
適用事業所名称・所在地変更(訂正)届の手続きも必要です。適用事業所名称・所在地変更(訂正)届は、変更前の社会保険事務所に移転の5日以内に届け出てください。
届出は窓口以外にも、郵送やインターネット申請などでも可能です。変更前の社会保険事務所が遠い場合など窓口に行けない場合は、郵送やインターネット申請を活用しましょう。
また、法人事業所は「法人(商業)登記簿謄本のコピー」が、個人事業所は「事業主の住民票のコピー(個人番号の記載がないもの)」が必要です。それぞれ必要な書類をコピーして併せて提出してください。
労働保険名称・所在地等変更届も提出しなければなりません。労働保険名称・所在地等変更届は、移転先の労働基準監督署に移転から10日以内に提出してください。
なお、一元適用事業所と二元適用事業所がありますが、一元適用事業所は労働基準監督署に、二元適用事業所は雇用保険はハローワーク、労災保険は労働基準監督署に提出しなければなりません。提出先を間違えないようにご注意ください。
労働保険名称・所在地等変更届の提出に必要となる書類は、登記事項証明書・事業許可証など所在地の変更が確認できる書類です。
移転登記は、移転前の法務局に移転から2週間以内に提出する必要があります。移転登記の提出は義務とされており、怠ると罰則が課せられることもあるため、忘れずに提出しましょう。
本店の場合は「本店移転登記申請書」支店の場合は「支店移転登記申請書」を提出しますが、支店の場合は2週間ではなく、3週間以内に提出すれば問題ありません。
提出の際には登記簿謄本、定款、印鑑証明書、株主総会議事録または取締役会議事録などが必要です。全て揃えた上で、移転前の法務局に提出してください。
利用しやすいシェアオフィスを選ぶために、シェアオフィス選びは以下のポイントを確認しましょう。
・利便性の高い立地か
・求めるサービスや設備があるか
・セキュリティ対策が適切か
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
まずは、利便性の高い立地かを確認しましょう。シェアオフィスの多くは利便性の高い立地にありますが、中には駅から遠かったり、周辺環境が悪かったりと利便性が低いところもあります。
特に、企業訪問をする業種の際には利便性のよいエリアを選ぶようにしましょう。
また、利便性のよい立地ほど利用料金が高くなる傾向にあるため費用についても考えなければなりません。立地と予算に合った店舗を選びましょう。
自社が求めるサービスや設備が、提供されているかも確認しておきましょう。なぜなら、シェアオフィスは店舗によってサービスや設備が異なるためです。
ドリンクサービス、ロッカー、プリンタ、コピー機の有無など、業務に必要なサービスや設備があるかを事前に確認しておきましょう。
セキュリティ対策が適切かも確認しておくべきポイントです。なぜなら、シェアオフィスでは、ものを無くしたり、置いていったりしてしまうと、情報漏洩につながる可能性があるためです。
自社オフィスに比べると盗難に遭う可能性が高いため、セキュリティ対策が適切か否かは必ず確認すべきポイントといえます。
シェアオフィスは住所や電話番号を登記できれば、オフィスとして移転することも可能です。シェアオフィスを利用する流れや手続きを把握し、適切にオフィス移転を行いましょう。